桐田家のヒミツゴト~契約結婚したはずが、義弟との距離が近すぎる~
「えー、なんで怪我してんの?ウケるー!!」
「俺が突き落とした!だから病院に付き添ってる!」
「マジで??あんた何やってんの??」
あかねちゃんがこれでもかって位に目を丸くして、ブハーッと吹き出した。
いや、怪我ウケるってどういうこと!?
「いやー、笑えるわ。朝士の運転ってないない。そういう雑な扱いされるタイプなんだ~」
「俺、結構うまくなったんだぜ!今度、乗せてやるよ!」
「えー、おもろ!でもさー、マジで智夜さんこの人と結婚したの?」
「結婚式したし、ちゃんとヤラしーこともしてるぞ!」
「……え、朝士くん?一体、何を……」
2人の会話についていけないけど。
朝士くんの台詞に何を言われてるのか理解できなくて、一瞬、頭が真っ白になった。
「はぁ~?ちゃんとって何よ!」
「だから……ベッドで、色々ヤッて」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
え、この場所でこんな大声でする会話じゃないし。
何?この子何を言ってるの?
「エロいちゅーしてたし!もう智夜は結婚してるからな!!」
なんて、朝士くんの声が店内に響くから、その瞬間、店内が静まり返る。
この場所で、こんな大声で交わされる会話じゃない。そう思ったところで時すでに遅し。ざわざわと低い声とともに、私達のテーブルに一斉に視線が向けられた。
「……朝士の達の悪い冗談かと思った、私の智夜さんが……こんな知らない女と…………」
なんて、半泣き状態のあかねちゃんの声が震え上がっていく。
そし私をキッと睨み付けて、店内の違うテーブルへとフラフラ歩いて行くけど。こんな状況で取り残されても困る。
朝士くんが「またなー、遊ぼうなー」 なんて周りの目を気にせず手をぶんぶんと振っているけど。
あんなにビクビクしてたのに、こんなに注目されて大丈夫なの?
「あいつ、昔から智夜のこと大好きなんだよ。彼氏いるけどなー」
「へー」
いや、今そんなこと言われても。
この空気、耐えられない。
「口悪いけど、いい奴なんだ!」
朝士くんがニパーっと笑顔を見せるけど、え、あれで?と思わずにはいられない。
「彩里も、いい奴だからな!!」
……敵か味方かの二択しかないのか、この子。
「アイツさー。彩里と智夜の結婚、信じてなかっただろ。だから、ちゃんと真実を伝えておこうと思って!」
「真実?」
「この間、智夜とちゅーしてただろ?」