桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
「ぷはーっ!外で飲むの最高なんだけど!」
茉昼ちゃんが息を吐いて、空の缶をテーブルの上にドンッと置いた。
「ほんと、それ……なんか全部美味しく感じる」
「でしょでしょ?」
「やばい、ちょっとハマりそうかも」
「はぁ~、あの時、彩里ちゃん連れて来ちゃって良かった~」
「ほんと、茉昼ちゃんに連れてこられて良かった~」
運命の出会いだったね~なんて、きゃははははと笑い声がシンクロする。
ピザをつまみながら、茉昼ちゃんがもう1本ビール缶をプシュッと開けた。と、同時に次のチューハイを手渡される。
酔いがまわってきたかな。ハイペースだけど、楽しくなってきた。久しぶりだな、こんなにお酒飲むの……。
飲めない時期とかあったから、いつぶりだろう。
「ねー、ねー、彩里ちゃん。女子会といったら?」
ヘラヘラと口元を緩ませる茉昼ちゃんが、肘で私をつついてきた。それだけでも笑えてくるから。アルコールって不思議だ。
「えー、えへへ、女子会といったら?」
「恋バナしかないっしょ!?」
「きゃーー、いっちゃう?」
「彩里ちゃんはさー、何人と付き合ったことあるの?」
「えええ、えーと、3人かな。ふふ、別れた旦那合わせて3人。茉昼ちゃんは?」
和生のことなんか思い出したくないのに、なんか、頭がふわふわしてきて。どうでもよくなってる。
「私?えっと、何人だろう……ちゃんと付き合ったのは5人かなぁ?」
指折りはじめちゃったけど、覚えられないくらいなのだろうか。微妙な雰囲気になった男の人もいるのか。経験多いのかな…なんて、こっちがドキドキしてしまう。
「何?何ー?茉昼ちゃんってば、経験豊富な感じ?モテモテじゃーん」
「そんなんじゃくてー、付き合ってると思ってたら……」
ヒック、と間にしゃっくりをして言葉が続けられていく。
「相手には本命がいて私が浮気相手だったとか、既婚者だったとか、カケとか遊ばれてたり、なんかいつも男運がなくてさー」
「はぁ?それ男が見る目ないんじゃん!」
「そうだよねぇ?でも、いつもお兄ちゃんがね──、迎えにきてくれるの」