桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
スマホの画面に出てきたのは、朝士くんと食べたハンバーガーとコーヒーフロートのセット。フルーツがたっぷりのったパルフェだった。
カフェかぁ。カフェ。朝士くんと行ったなぁ……。青ざめながらビクついていた朝士くんを思い出して、思わずプッと吹き出してしまう。
「ごめっ、思い出し笑い……ふふっ、」
「えー、何?何?」
笑いを堪えて肩を震わせていれば、茉昼ちゃんが興味津々に肘でつついてくる。
「いや、この時の朝士くん青くなってびくびくしてるし、面白かったなーって」
「ぷはっ、ウケルー!!」
「しかも智夜さんのカードだったの!」
「聞いた、聞いたー!それめっちゃ笑った~!!」
「私、びっくりしちゃってさぁ……ふふふっ、あはっ」
ここ最近の自分の態度を思い返すと、ちょっと可哀想だったかな、なんて思う。
たかが、キスくらい。そろそろ普通に接してあげてもいいかな……。
「あいつ下界怖いちゃんだからねーウケルよね!!お兄ちゃんも凄い驚いてたよ」
「下界怖いちゃんって、何??はじめて聞いたんだけど!」
「ひゃはは、もーさ、何でケンカしてんの?」
「えー、まぁ色々ね」
「あいつもさー、ポロッと本当のこと言っちゃってトラブルになったりさ、あったけど。私もひとのこと言えなくてさ、女子に嫌われてたし。朝士も憎めないんだよねー」
なんて、茉昼ちゃんのテンションの高い声が辺りに響き渡る。と同時に、ワインのボトルを開けて、グラスにドクドクとつぎだした。
「茉昼ちゃんもワイン、飲も!」
「わ、お洒落~」
「次は、日本酒いっちゃう?」
「いくいく」
「きゃはははははー!!!」
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「はぁ。やーっぱ、ちゃんぽんしたか……」
ランタンと管理棟の灯りだけが頼りの暗がりの中、背後から穏やかな声がした。
振り返ると、眉を下げて苦笑いを見せる智夜さんが立っていた。
「……え、あれ?……智夜さん?」
「智ちゃーん!!すっごい楽しい~よ~」
茉昼ちゃんが目をキラキラとさせて、智夜さんに崩れるように抱きついた。
「こいつ、どうしようもない酔っ払いでしょ?」