桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
だからかな。3人に強い絆を感じるのは。
2人のことが大切なんだと伝わってきて、一緒に暮らしてるのに、同じ空間にいるのに、私だけ外にいるみたい。
「……えっと、茉昼ちゃんってどんな子だったんですか?」
「お兄ちゃんっ子でさ、マジで俺から離れなくて。俺に彼女できると、滅茶苦茶邪魔してくるような、ブラコンだったよ」
確かに、この間一緒に飲んだ時、お兄ちゃん大好きオーラ出してたもんね。
「だからかな、茉昼って、……依存っていうかさ……周り見えないというか……うーん」
智夜さんが言葉を濁しながら、ポツリポツリと言葉を落としていく。
「変なのに引っかかること多くて、いつも最後には1人で泣いてさ。危なっかしくて放っとけなかった……、なんて、過保護だよね俺」
「……茉昼ちゃん、可愛いですもんね」
「それ言ったらあいつ調子にのるよ。……彩里ちゃんごめんこんな話しちゃって」
「いえ、全然」
「なんか、彩里ちゃんと話しやすくて、落ち着くっていうか……はは、ちょっと話し過ぎちゃったかな」
「そんなこと……」
柊くんと朝士くんの寝息が部屋に静かに響いている中。
すぐ隣で眠る朝士くんが寝返りを打って、体が触れるから。反射的に固まる。
どうしよう、落ち着かないんだけど。
静まりかえる部屋で、再び口を開いたのは智夜さんの方だった。
「彩里ちゃんは?彩里ちゃんは正直さ……、朝士のことどう思ってるの?」
「えっ?別に何も、普通です……」
「……そっか、」
その時、ピコンと音が鳴って、智夜さんのスマホの画面に明かりがつく。
「あー……、噂をすれば茉昼からだ」
「……」
「柊、大丈夫?か、だって。こっちはもう大変だったっつうの」
しょうがないなぁ、と目を細めて優しい顔をする智夜さんがいた。