華の咲きかた






「…くぅ〜、

早く家に連れて帰りてえ。


なんて可愛いんだ、愛しの4フォアちゃん」







綾が顔をこすりつけるフォアのタンクには、

いまだに綾が書いた文字が消されずに残っていた。







「沼田君、フォアの車検いつ通すの?」



「うーん、そうだな。

綾に渡す一週間くらい前だから…

12月になってからだな。



車体番号の事だろ?」



「うん」







持ち主を特定する事が出来る、単車のフレームに刻印される車体番号。




年々、厳しくなっていく、暴走族に対する警察の取り締まりに、

流しの最中に単車を乗り捨てて逃げる人間も多くなってきたこの頃、


盗難車ではなく、自分の単車で出てる人間の中には、いつでも単車を乗り捨てられる様に、車体番号を削る人間も少なくはなかった。




うちのチームはマドカさんの総長命令で、車体番号を削る事を強制されていた。







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