華の咲きかた
「…ねえ、京介」
私はあんたの目をまともに見ようとしない、臆病者。
「高嶺の華って言葉、知ってる?」
京介の顔を下から覗き込み冗談ぽく笑う、
16の私。
京介はクスッと笑い、
私の目を見て、ゆっくりと口を開いた。
「それが本当に綺麗な華だったらさ…」
そんな真っ直ぐな目で見られても、
私は視線を反らすだけ。
「手を血まみれにしてでも摘んじゃうよね。
その華が欲しかったら」
情熱、愛情、あなたを愛す。
可愛い後輩の為にと偽善者ぶって硬派を気取り、
京介の真っ直ぐな目を見ようともしなかったこの頃の私は、
薔薇の花言葉なんか、
知りもしなかった――