華の咲きかた
「無いと思うよ」
京介は即答で答えた。
「あんた…夢が無いね。
私の好きな華なんだからさ、
あるよ絶対!とか、気の利いたこと言えないの?」
私がそう言うと、
京介は火花が消えた花火の棒を後ろにポイッと投げ捨てた。
「だってさ、
そんな単純な華じゃないでしょ、バラって。
こんな火薬と棒だけで、バラのトゲまで演出したら、ノーベル賞あげるよ。
ノーベルじゃないけど」
「……。」
京介は本当に私の事をよく見ている。
私はたしかに華の中で一番バラが好きだけど、
もしバラに棘が無かったらそこまで好きにはなれなかったと思う。
安易に触れる者に怪我を負わす繊細な所が、
誰にも媚びる事無く強く生きる象徴の様で、
安っぽい女になりたくない私にはピッタリの華だと、勝手に思い込んでいた。