人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
東京支社長に就任して気力体力共に充実していたわたしは、その夜セックスをした上に、翌朝も求めたのだ。
昨夜の反応からすると妻も喜んでくれると思っていたが、意外な返事が返ってきた。
「またするの?」と嫌そうに言われたのだ。
拝み倒してなんとか受け入れてもらったが、妻はただ目を瞑ってわたしに身を任せていただけだった。
一体感はまるで感じなかった。
「もう限界だよ」
彼の声で現実に引き戻された。
「限界って、まさか……」
彼は虚ろな目で壁の方を見つめていたが、心を決めたように顎を下に引いた。
「この年で一人になるのは辛いけどな」
大きな息が彼の鼻から漏れた。
それは、肺の中に溜め込んだ奥さんへの不満をすべて吐き出すかのような大きなものだった。
「でも、早まるなよ」
言った瞬間、後悔した。
彼は早まっているわけではないのだ。
この何年かずっと考えていたはずなのだ。
なのですぐにリカバリーしようとしたが、他の言葉は何も思い浮かばなかった。
「悪かったな」
見ると、彼は済まなさそうな顔をしていた。
「お前の愚痴を聞かなきゃいけなかったのにな……」
わたしは首を横に振った。
すると、いきなり空腹を覚えた。
簡単なツマミしか食べていないことを思い出した。
「ラーメンでも食いにいくか」
湿っぽくなった場所にこのままとどまるわけにはいかなかった。
「そうだな」
言うなり彼は立ち上がって伝票を掴み、レジで支払いをした。
すぐに半分払おうとしたが、制するように彼は右の掌をこちらに向けた。
そして、〈愚痴を聞いてもらったささやかな礼〉だと言った。
本当は逆だったが、彼の性格として一度言ったことは翻さないのでありがたくご馳走になった。
昨夜の反応からすると妻も喜んでくれると思っていたが、意外な返事が返ってきた。
「またするの?」と嫌そうに言われたのだ。
拝み倒してなんとか受け入れてもらったが、妻はただ目を瞑ってわたしに身を任せていただけだった。
一体感はまるで感じなかった。
「もう限界だよ」
彼の声で現実に引き戻された。
「限界って、まさか……」
彼は虚ろな目で壁の方を見つめていたが、心を決めたように顎を下に引いた。
「この年で一人になるのは辛いけどな」
大きな息が彼の鼻から漏れた。
それは、肺の中に溜め込んだ奥さんへの不満をすべて吐き出すかのような大きなものだった。
「でも、早まるなよ」
言った瞬間、後悔した。
彼は早まっているわけではないのだ。
この何年かずっと考えていたはずなのだ。
なのですぐにリカバリーしようとしたが、他の言葉は何も思い浮かばなかった。
「悪かったな」
見ると、彼は済まなさそうな顔をしていた。
「お前の愚痴を聞かなきゃいけなかったのにな……」
わたしは首を横に振った。
すると、いきなり空腹を覚えた。
簡単なツマミしか食べていないことを思い出した。
「ラーメンでも食いにいくか」
湿っぽくなった場所にこのままとどまるわけにはいかなかった。
「そうだな」
言うなり彼は立ち上がって伝票を掴み、レジで支払いをした。
すぐに半分払おうとしたが、制するように彼は右の掌をこちらに向けた。
そして、〈愚痴を聞いてもらったささやかな礼〉だと言った。
本当は逆だったが、彼の性格として一度言ったことは翻さないのでありがたくご馳走になった。