人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
「どうしよう……」
リビングに戻ったわたしは妻に向かって弱々しい哀れな声を出していた。
もう3週間ちょっとしか残っていないのだ。
これから12ページ分書き足すのは不可能のように思えた。
それに、もしできたとしても取って付けたようなものになる可能性は否定できなかった。
わたしは頭を抱えた。
「私だったら……」
妻は腕を組んで天井の方に視線を向けた。
「私だったら、エピローグを書き直すわ」
言っている意味がわからなかった。
「途中を書き直すと全体のバランスが悪くなるから止めた方がいいと思うの。でも、エピローグだったら流れの中で書き直せるし、今よりも良いものにできるかもしれないと思うの。そう思わない?」
すぐに反応できなかった。
途中の文章に手を入れるよりもエピローグの方が直しやすいのはその通りだが、クロージングしているものをどうやって書き直せばいいのかわからなかった。
だから「そうかもしれないけど……」という弱々しい声を出すのが精一杯だった。
頭の中に代替案が浮かんでくるわけはないのだ。
妻に救いを求めるしかなかったが、彼女も具体的にどうすればいいかということまでは明確になっていないらしく、また腕を組んで天井の方を見上げた。
「そうね~」
それっきり言葉は出てこなかった。
二人の間を居心地の悪い時間だけが過ぎていった。
「下手の考え休むに似たり!」
突然妻が大きな声を出した。
そして立ち上がって手を叩くような仕草をした。
「脳にエネルギーを注入しないとね」
唖然としているわたしを置き去りにして、リビングを出て行った。
しばらくしてドアの締まる音と鍵をかける音がした。
わたしは一人取り残されたような気分になった。
リビングに戻ったわたしは妻に向かって弱々しい哀れな声を出していた。
もう3週間ちょっとしか残っていないのだ。
これから12ページ分書き足すのは不可能のように思えた。
それに、もしできたとしても取って付けたようなものになる可能性は否定できなかった。
わたしは頭を抱えた。
「私だったら……」
妻は腕を組んで天井の方に視線を向けた。
「私だったら、エピローグを書き直すわ」
言っている意味がわからなかった。
「途中を書き直すと全体のバランスが悪くなるから止めた方がいいと思うの。でも、エピローグだったら流れの中で書き直せるし、今よりも良いものにできるかもしれないと思うの。そう思わない?」
すぐに反応できなかった。
途中の文章に手を入れるよりもエピローグの方が直しやすいのはその通りだが、クロージングしているものをどうやって書き直せばいいのかわからなかった。
だから「そうかもしれないけど……」という弱々しい声を出すのが精一杯だった。
頭の中に代替案が浮かんでくるわけはないのだ。
妻に救いを求めるしかなかったが、彼女も具体的にどうすればいいかということまでは明確になっていないらしく、また腕を組んで天井の方を見上げた。
「そうね~」
それっきり言葉は出てこなかった。
二人の間を居心地の悪い時間だけが過ぎていった。
「下手の考え休むに似たり!」
突然妻が大きな声を出した。
そして立ち上がって手を叩くような仕草をした。
「脳にエネルギーを注入しないとね」
唖然としているわたしを置き去りにして、リビングを出て行った。
しばらくしてドアの締まる音と鍵をかける音がした。
わたしは一人取り残されたような気分になった。