人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
 その後、乾がメール配信システムを使って一斉送信すると、メルマガ『支社長通信:ちょっとよろしいでしょうか』がわたしにも届いた。

 気になってもう一度開いた。
 今度は読む側として読み返した。
 すると、どんな風に受け取られるのか、急に不安になった。
 
 ちょっと偉そうかな、
 お叱りを受けるかな、
 それとも無視されるかな、
 さっきまでと違って、不安がどんどん増幅してきた。

 止めときゃよかったかな、
 不安が後悔に変わった。
 文面から目を離せなくなり、何度も何度も読み返した。
 
 やっぱり止めときゃよかったかな、
 後悔に押しつぶされそうになった時、誰かが近寄ってくる気配を感じた。
 
「支社長、そろそろお時間です」
 取引先への同行に出発する時間になっていた。
 心の整理はついていなかったが、仕方がないのでパソコンを閉じて、背広の上着を着て、バッグを手に持った。
 
 会社を出る時、乾の顔にそっと目をやったが、彼女は普段通りの表情でパソコンに向かっていた。

 取引先へ向かう道中、部下から何度も話しかけられた。
 しかし、曖昧な返事しかできなかった。
 メルマガの反応のことで頭がいっぱいになっていた。


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