北帝連―Taiju×shinobu編
自然に足が向かった先は、忍と練習をしていたあの公園。
「‥‥‥」
小学生がキャッチボールしている姿を、ベンチに座りながらボーッと眺める忍の寂しそうな背中。
なんて声をかければよいのか分からない俺は、ただ黙って忍の隣に腰を降ろし、小学生のキャッチボールを隣で見つめた。
「‥‥‥‥」「‥‥‥‥」
可能性はまだ残っていたのかも知れない。
けど俺と忍はこの時、全てを諦めていたから、その可能性にすがる言葉が出て来なかったのだろう。
「キャッチャーって万能だよな」
「‥‥‥え」
「肩がツエーから、捕手だけじゃなくバッターとしても有能だし、お前みたいにピッチャーとしてもマウンドに立てる」
「どうだった、今日の俺」
「20点だな。ストレートばっかだし」
「投げれねえよ、変化球なんて」