北帝連―Taiju×shinobu編





自然に足が向かった先は、忍と練習をしていたあの公園。







「‥‥‥」







小学生がキャッチボールしている姿を、ベンチに座りながらボーッと眺める忍の寂しそうな背中。


なんて声をかければよいのか分からない俺は、ただ黙って忍の隣に腰を降ろし、小学生のキャッチボールを隣で見つめた。







「‥‥‥‥」「‥‥‥‥」






可能性はまだ残っていたのかも知れない。 

けど俺と忍はこの時、全てを諦めていたから、その可能性にすがる言葉が出て来なかったのだろう。







「キャッチャーって万能だよな」


「‥‥‥え」


「肩がツエーから、捕手だけじゃなくバッターとしても有能だし、お前みたいにピッチャーとしてもマウンドに立てる」


「どうだった、今日の俺」


「20点だな。ストレートばっかだし」


「投げれねえよ、変化球なんて」




< 37 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop