北帝連―Taiju×shinobu編
忍の将来を繋ぎ止める、最後の分岐点はおそらくここだった。
けど、弱い俺にはそのたった一言が出ない。
「‥ゴメン‥‥」
「バーカ、謝んなよ。
あれは俺の責任って言っただろ」
俺だけじゃない。
こいつだって、弱いから逃げたんだ。
「お前は辞めんなよ、野球」
「‥‥‥」
この時もし、去ろうとする忍を捕まえて、頑張ろうぜの一言が言えていれば、こいつの将来は途切れずに済んだのかも知れない。
けど、中2の俺らにとって、全治1年という期間はあまりに長く、絶望的だった。
「‥‥‥‥」
だからこそ自分を嫌う為、忍を弱い奴と思う事にしたんだと思う。
「‥‥やれるわけ‥‥ねえだろ‥‥」