北帝連―Taiju×shinobu編
ああ、言われてみるとそうだ。
あの時ホッシーは、心配しているというより気まずそうにしていた。
そりゃあ気まずいよな、友達を裏切るなんて。
けど、先輩の命令を突っぱねる勇気なんて俺にだって無いだろうし、誰だって裏切るよな。
誰だって‥‥。
「バイト終わったら、都築さんのとこ行くぞ。
取り返そうぜ、お前の10万」
「‥‥‥」
忍だったら、同じ事をしただろうか。
「‥いいよ、見なかった事にする」
「は?」
「素直に返す様な人じゃないし、事を荒立てればホッシーやお前にも迷惑かかるかも知れないし」
「なにバカなこと言ってんだよ。30万だぞ?
お前が毎日ガソスタで頑張って稼いでる金、あいつはむしり取ろうとしてんだぞ」
「仕方ねえよ。騙された俺が悪い。
それに、お前も悪光浪士に入るかも知れないのに、都築さんに睨まれると、これから先大変だろ」
「俺の事はどうでもいいんだよ!
証拠だってあんのに、泣き寝入りする必要なんかねえだろ!」
「なんで忍、そこまでムキになってくれんの?」
「なんでって‥‥」
「‥‥‥」
出ないよな、その一言。
俺だってお前の事、一応とか言っちゃったし。
「‥‥ありがとな。
お前らに迷惑かけたくないから、忍も見なかった事にしてよ」
「‥‥‥‥」