御曹司たちの溺愛レベル上昇中


──五分程おとなしくして、楽しそうにする響くんに包帯をとってもらい、立ち上がった。


「……まだ腫れてますね」

「それは仕方ない。それよりも響くん、今だけ松葉杖なしでもいいでしょ?」


せっかくプールに来たんだし、いちいち松葉杖いらないの。……本当は使わないとなんだろうけど。
片足でも気を付ければ大丈夫でしょ。
壁づたいに歩くとかするし。


「と、言われるというか、予想してましたから琉衣さん用の滑り止めのマット敷いてありますし、出入りは必ず僕たちの誰かに声をかけてくださるなら」

「うん。分かった」


──わたし用の滑り止めマット……?


確かになんかプールを囲うようマットが敷き詰めてあるなぁとは思ったけど、これ全部?

プールそばに行き、水を手ですくってマットに水をかけてみたところ……何事もなかったようにマットは濡れていない。


──これ高いやつだな。絶対。


響くんが村田さんに言ってこうなったんだろうから、そこらへんの物じゃない……きっと。



「あ、琉衣ちゃん出てきてた。颯、琉衣ちゃん来たよ」


準備運動したり、倉庫みたいなとこから浮き輪やボールを出していた二人。雪さんがわたしに気づいて歩いてきた。
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