御曹司たちの溺愛レベル上昇中
このままではいけないと、腹を括って二階に行かないか……切り出せねば──
そう思った時、ずっと静かにしていた雪さんが口を開いた。
「……三人ともここで待ってて」
「え、何でだよ」
「俺、長男だし。行ってく──」
「駄目だ!雪兄は一番攻撃力がない!全パラメーターが低いんだから!」
「一人で行くのは僕も反対です!」
数歩歩きだした雪さんの腕を掴む颯くん。
止められた雪さんの顔は部屋が暗すぎてうかがえない。
でも……
パラメーターって……古いソフトだって言いながらやってたゲームに感化されてるでしょ。多分。
「もうこーなりゃ全員で倒しに行こうぜ。四対一なら、箒やら何やら持っていけば勝機はあるだろ!」
「でもあちらさんが一人とは、まだ決まってないですけどね?」
「俺、一番前行──」
「雪兄さんは一番後ろで、琉衣さんは僕と颯くんの後ろね」