御曹司たちの溺愛レベル上昇中


***


朝のホームルームから、少しずつ周りを見れるようになって、教室を見渡してみてもあのよそよそしい感じはあまりなかった。

授業毎に変わる先生たちもいつも通りって感じで。颯くんたちが土日の間に何かしてくれたことは明白だった。

そんな中、迫る文化祭についての話し合いが行われ、さまざまな出し物に賛否がとんだ末、わたしたちのクラスはお化け屋敷をやることに。



──長く感じた午前を乗り越え、昼休み。

スマホを見れば、響くんと雪さんから沢山メッセージが届いていて、どちらも心配してくれているメッセージばかり。

しばらく響くんと雪さんに返し、何度かやりとりをしてからお財布とにらめっこした。

迷ったけど、わたしは購買のメロンパンを買うことに。


「残ってるかな」


連絡野やりとり以前に、中々重い腰を上げることが出来ず、だいぶ出遅れているから。
人混みに行くのがどうも……というより廊下にも出たくないと思ってしまっている。
でも行かないと食べれないまま。


よしっ──



「もう購買にメロンパンはないぜ?」

「え?おわっ」


ドン、と置かれた袋にはメロンパンがぎっしり。
思わず顔を上げれば、颯くんは前の席に座ってパンを食べ始めた。
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