御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「親父が無理とかだめって反対しても、俺は小柳のこと諦めねぇから。小柳、お前がそんな理由で無理だって言ってもだ」
釣り合わない、その言葉を遮るように颯くんたちは関係ないと首を振る。
本当に気持ちは嬉しく思ってる。でも──
「例えば、僕たちの誰かが彼女と付き合うことにお父様はどう思われてますか。即反対は受け付けませんよ。大企業の家に生まれたからといって他の人と何も変わらない……そう言ったのはお父様なんですから」
そうだな……と黙り込んでしまったお父様。
また沈黙の時が流れ、なんだか胃が痛くなってきた。
だって、誰がどう考えても不釣り合いなのが丸わかりだもの。シェアハウスは許されても、貧乏女子との付き合いなんて簡単に首を縦に振るはずがない。
「……パパ的に良き」
『え?』
真剣な表情とは合わない言葉に、驚く三人とわたしの声が重なり、つい口を手で塞いだ。
「人間どんな環境下にいようと、中身が大事なんだ。村田が声をかけ、村田が私に嬉しそうに話す女性は信用出来る」
ってことは──
「いつでもWELCOMEだ。な、お前もだろ?」
お前?
誰かが訊く前に、微笑むお父様はスマホをわたしたちに見せた。そこには……