御曹司たちの溺愛レベル上昇中
一度目の、はじめてのキス。
それから、おでこや頬に口と、繰り返し口付けられて……その長い時間に肩を押すこともせず、ド緊張の中で受け入れ続けた末に、やっと起き上がった颯くんはきっとわたしにも負けず劣らず火照っている。
「やっべぇ……アクセルかけねぇと歯止め効かなくなるやつだこれ」
ふぅ、と息を吐いた颯くんと同様、少しでも自分を落ち着かせようと息を吸いかけるも疑問がわいた。
……え?颯くん今、
アクセルを……かけるって言った?
「それ、ブレーキ……じゃなくて?」
「ん?」
指摘してよいタイミングか迷ったけど、一応言ってみると颯くんはきょとんとした後、わかりやすくハッとした。
「だな。ブレーキ。そう、ブレーキ」
……だよね。
アクセルだったら余計……ね?
「つか、お前答える余裕あんのな?」
「えっ、いや……だって颯くんが変なこと言うから焦るでしょ!?」
「変って……確かにミスったのは間違いねぇけど。とりあえず……仕切り直す」
「すとっぷ……で」
大きな咳払いをして何もなかったように、未だ沸騰気味のわたしへと顔を寄せるから、さすがにもう恥ずかしさに限界が来て両手で顔を覆う。
……そして、そんなわたしへの颯くんの対応が顔を隠したことへの文句……ではなく、ちょんとまるで猫のようにわたしの手の甲をつついてくるだけ。