御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「いやーめっちゃ美味かったなぁ。俺料理できるじゃんか」
「型抜きだけしかやってないでしょう。それで料理出来たとは言わないですよ」
無事に出来て良かったぁ……
それと食事の最中、今後の流れとしてローテーションで週ニの買い物に加え、朝と昼は各々好きに食べるシステムにしようと話し合った。
「明日お前だかんなー変なもの作るなよ?」
「僕の方が戦力にはなると自負してますから。ご心配なく」
ニヤニヤと響くんの肘をつついてる小鳥遊くんだが、淡々と言い返されてしまっている。
こう言い合いみたいな展開になると
響くんが一枚ウワテなのかな、って感じなくはない。
「わたし洗い物するよ」
「僕がやりますよ。役割的にそうでしょう」
すでにさげてある食器たち。
休憩もしたし、キッチンに行こうと立ち上がったわたしだったけど、響くんがすたすたと先に行ってしまった。
でも、いいのかな。
一応……というか、御曹司なわけで。やってもらうのは少し気が引ける。
「わたし、手伝っ――」
「大丈夫です。一人でやる方が気楽ですし、お気持ちだけで」
「……じ、じゃあお願いするね」
──初日だし、初対面だしで、打ち解けるのは難しい。
食事をして、少し和んだ気もしたけど……道のりは長そう。