御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「アパートの手伝いもそうだけど……小鳥遊くんには缶もらったり、響くんには勉強教えてもらったり……雪さんからはお花頂いたので……お礼がしたくて」
いざ感謝の気持ちを口に、しかも本人たちへ直接伝えるというのは恥ずかしく、どんどん俯きながらの伝え方になってしまった。
大丈夫だろうか──
チラリと、目だけで三人を見れば小鳥遊くんから順に口を開いていく。
「……勉強?花?」
「缶って何?花って何?」
「二人とも偉いねっ」
最後の雪さんだけ、笑顔。
これはもしや──
「響、お前いつ小柳に勉強なんぞ教えたんだ!?」
「颯くんがうるさい時。颯くんこそ、缶って何!」
「缶は……缶だよっ!」
「答えになってない!ちゃんと答えて!」
……あぁ、やっぱり。
「お前こそどこで教えたんだよ!」
「琉衣さんの"部屋"で!"二人きり"でね!」
「ふっ……!?」
所々を強調した響くん言い方に、小鳥遊くんが固まってしまった。
響くんは腕組みして、いつでも言い返すオーラを放っている。
「二人とも、ケンカはよくな──」
「雪兄こそ花ってなんだよ!育てたやつか?そうなのか!?」
「僕たちより知り合うのも会話の数も圧倒的に少ないはずなのに、どういうこと?雪兄さんまで琉衣さんに……」
「ま、待って待って!?俺はガーベラ一本渡したただけで……」
『ガーベラ?』
まさか仲裁に入った雪さんに飛び火するとは……これはわたしが止めるべき──
「待って、ガーベラ一本って運命の人だかなんだか意味するんじゃ……」
えっ、響くん花言葉まで知ってるの?