御曹司たちの溺愛レベル上昇中


──数日後、わたしは両親との電話を重ねて相談しあった結果……

シェアハウス行きを決めたのだった。


「先日はありがとうございました。それで……」


電話先の主は勿論ご老人──改め、村田さん。


村田さんは家の場所や間取り、支払いのこと、諸々を両親に伝えてくれていた。
無論、わたしにも同じように資料を送ってくれた。

そして電話のやり取りをするうちに、両親も信頼度が上がったのだろう。

わたしがシェアハウスにしたいと言った時、両親はうん分かった!と二つ返事だったし。



「いつ頃、入居目安でしょうか?」


『お部屋はクリーニング済みですので、いつでも可能でございます。ただ、お部屋が三部屋ありますので……そうですねぇ』


電話越しにかさかさと音がした。多分、村田さんは間取りの資料を見ているのだろう。


『二階の一番奥のお部屋は窓が一枚多いですし、日当たりも申し分ございませんので』



わたしは、手元にある間取りを見る。




『こちらに住まれてはいかがですかな?』


「……はいっよろしくお願いします!」


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