バツイチナースですが、私を嫌っていた救急医がなぜか溺愛してきます



点滴の効果もあって症状は落ち着き、肺にも異常が見られなかったから佐和は五日ほどで退院のめどが立った。   

「池辺家からのお迎えの方が、今日のお昼過ぎにおみえになるそうです」
「池辺の家に帰りたくないわ」

香耶が予定を伝えたら、急に佐和は迎えを断ってしまった。
退院したら佐和は屋敷に戻ることになっていて、看護師として契約していた香耶との関係も終わるはずだった。

長男の嫁との折り合いがとても悪いと聞いてたが、池辺家が嫌だと言われても退院の手続きはすんでいる。
しばらく青葉大学病院に通院しなくてはいけないし、どこに帰るというのだろう。

「では、この近くのホテルを押さえましょう」

香耶がホテルに移ろうと言ってみたが、やはり気に入らないらしい。

「ホテルも嫌ね。飽きるもの」
「佐和様、やはりお屋敷にお帰りになるのがよろしいのでは?」

ほかの場所が浮かばなくて、香耶は困った。

「軽井沢に帰るしかないかしら。でも通院には遠いわね」







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