バツイチナースですが、私を嫌っていた救急医がなぜか溺愛してきます
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忙しい拓翔とは、病院内では会うことはほとんどない。
職員食堂で見かけてもお互い会釈するくらいだし、時おり救命救急科から回されてくる小児の患者のことで拓翔が入院病棟に姿を見せることがあっても看護師として接するだけだ。
プライベートでは拓翔が香耶との関係を深めようとしてくれるから、コミニケーションアプリで連絡を取りあっている。
帰りが同じ時間になった時には、少し離れた場所で待ち合わせたこともある。
それでもマンションで暮らしていた頃のようにはいかない。
離れてみて、あの日々の方がよほど濃い時間を過ごしていたことがよくわかった。
そんなある日。
患者を画像検査センターに送ってから、佐原とふたりでストレッチャーを持ってエレベーターに乗った。
一緒にお昼休憩に行こうかとおしゃべりしていたら、たまたま拓翔が乗り込んできた。
「お疲れさまです」
香耶は挨拶だけしたが、佐原は軽い口調で話しかけている。