ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
とりあえず、ざっと描いてみるか、書き始めれば何かつかめるかも。
私は横目で先生の表情を確認すると、言い訳するように語っていた。
「ちょっとだけ、軽く描いたら終わりにしますんので」
急ぐようにメモ帳と筆記用具をカバンから取り出すと、行動をみていた先生はその筆記用具を見て微笑みながら声をかけていた。
「万年筆で描くの? 鉛筆持ってきているわよ」
先生が気にしていたペンは先日会社から出てきたヒトデのペンだった。
普通なら描きながら修正の出来る、鉛筆を使うだろう。
でも、今は大雑把に描き進めることしか頭にも浮かばず、その域にも達していなかった。
「なんとなく描くだけなので、大丈夫です」
そうだ、口では強がっているが、本格的にデザインを任されるのは初めてだ。
お客さんが求める良い作品が、今の私に出来るのだろうか?
みんなには悪いが、本当は気になってボーリングどころではないのが現状だった。
今の正直な気持ちを認識すると、考えのないまま紙にペン先を当てようとしていた。
縦か横か、どちらから線を引き始めたらいいのか考えていた私だったが、ペンが紙に触れると、ゆっくり勝手に動いて行くようだった。
あれ、またこの感覚だ。
頭で考えていたのか、無意識に手を動かしたのか解らないほど、ペンは不思議な感覚を与えていた。
スーッスーッスーッスーッ。
微かな音をたてながら、描き上がるデザインに先生も感心するように話している。
私は横目で先生の表情を確認すると、言い訳するように語っていた。
「ちょっとだけ、軽く描いたら終わりにしますんので」
急ぐようにメモ帳と筆記用具をカバンから取り出すと、行動をみていた先生はその筆記用具を見て微笑みながら声をかけていた。
「万年筆で描くの? 鉛筆持ってきているわよ」
先生が気にしていたペンは先日会社から出てきたヒトデのペンだった。
普通なら描きながら修正の出来る、鉛筆を使うだろう。
でも、今は大雑把に描き進めることしか頭にも浮かばず、その域にも達していなかった。
「なんとなく描くだけなので、大丈夫です」
そうだ、口では強がっているが、本格的にデザインを任されるのは初めてだ。
お客さんが求める良い作品が、今の私に出来るのだろうか?
みんなには悪いが、本当は気になってボーリングどころではないのが現状だった。
今の正直な気持ちを認識すると、考えのないまま紙にペン先を当てようとしていた。
縦か横か、どちらから線を引き始めたらいいのか考えていた私だったが、ペンが紙に触れると、ゆっくり勝手に動いて行くようだった。
あれ、またこの感覚だ。
頭で考えていたのか、無意識に手を動かしたのか解らないほど、ペンは不思議な感覚を与えていた。
スーッスーッスーッスーッ。
微かな音をたてながら、描き上がるデザインに先生も感心するように話している。