ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
「万年筆で器用なことするわね」
自分でも、驚いていた。
いくら得意なデザイン画だと言っても、ここまでためらわず描けることは無い。
しかも一区切りついたかのように不安も無くなり、拍子抜けする気分だった。
困惑する中、守君と蘭は側に寄りそのデザインを見て話してきた。
「流石です。白いマグカップなどに、赤い文字で描かれているのをイメージ出来ますよ。事前に考えていたのですか」
守君は蘭に手渡しながらそう話すと、私も再び自分の描いたメモ帳を覗き込んでいた。
そこには角ばったカタカナ文字を使い、尻つぼみになるように、文字の大きさが変化したものが描かれていた。
そしてスピード感を連想させるのだろう、文字の下には矢印を手前に走らせている。おぼろげに浮かんだイメージが、そこには表現出来ていた。
慌てた私は、二人に合わせるかのように、急いでメモ帳を閉じ語っていた。
「取り合えづね、ここから会社で練って行こうか」
明るく振舞い答えていたが、少し怖い気持ちにもなっていた。
あまりにも不自然な状況に、手にするヒトデのペンを見つめ考えてしまう。
やっぱりこのペンはただのペンでは無い。きっと私に絵の描き方を教えるために現れたのだろう。
でもなきゃ、あんなスラスラとロゴのデザインを描き上げることは出来ないはずだ。昔から美人は得だと言うけど、まんざら嘘ではないようだ。
私の中で何かを確信すると、ボーリングのスコアーを書く紙の余白に、動物のイラストを描いてみようと心みた。
「お願いねヒトデのペン。私にイラストの描き方教えてね」
呪文のように呟くと、ペンを紙に当て目を閉じていた。
自分でも、驚いていた。
いくら得意なデザイン画だと言っても、ここまでためらわず描けることは無い。
しかも一区切りついたかのように不安も無くなり、拍子抜けする気分だった。
困惑する中、守君と蘭は側に寄りそのデザインを見て話してきた。
「流石です。白いマグカップなどに、赤い文字で描かれているのをイメージ出来ますよ。事前に考えていたのですか」
守君は蘭に手渡しながらそう話すと、私も再び自分の描いたメモ帳を覗き込んでいた。
そこには角ばったカタカナ文字を使い、尻つぼみになるように、文字の大きさが変化したものが描かれていた。
そしてスピード感を連想させるのだろう、文字の下には矢印を手前に走らせている。おぼろげに浮かんだイメージが、そこには表現出来ていた。
慌てた私は、二人に合わせるかのように、急いでメモ帳を閉じ語っていた。
「取り合えづね、ここから会社で練って行こうか」
明るく振舞い答えていたが、少し怖い気持ちにもなっていた。
あまりにも不自然な状況に、手にするヒトデのペンを見つめ考えてしまう。
やっぱりこのペンはただのペンでは無い。きっと私に絵の描き方を教えるために現れたのだろう。
でもなきゃ、あんなスラスラとロゴのデザインを描き上げることは出来ないはずだ。昔から美人は得だと言うけど、まんざら嘘ではないようだ。
私の中で何かを確信すると、ボーリングのスコアーを書く紙の余白に、動物のイラストを描いてみようと心みた。
「お願いねヒトデのペン。私にイラストの描き方教えてね」
呪文のように呟くと、ペンを紙に当て目を閉じていた。