ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
疑問の残る空を見つめていると、ある記憶が蘇っていた。
「草山丹花は昼間と夜の境目だけ、願いを叶えることが出来るんだよ」
空き地で先生の旦那さんから聞いた言葉。私は境目の時間がわからないと答えたんだっけ。
そんな私に、旦那さんは空を見上げ話してくれた。
「一番星が教えてくれるよ。一番星だけが顔をのぞかせた時が、昼と夜の境目。その時刻が草山丹花を魔法のお花に変えるのだよ」
あれからペンタスに甘えてはいけないと考えていた私だったが、ペンタスがその瞬間を作り上げている。
一番星以外顔を出す事を引き止め、そのことに協力してくれている。
急いで机の引き出しを開けると、かき分けるように探していた。
手に取り拔き出したものは、茜からもらった最後の手紙だった。
私は期待を膨らませ数日を迎えていた。
会社では高校を卒業した蘭が、改めてデザイナーとして頑張っている。
まだ見習いだが、私が代わりに事務作業をしながら一緒に作り上げていた。
「相沢さん、そろそろ打ち合わせに出かけましょうか」
「はい、先方の要望では背景の色を少し明るい物にと言うことですよね。色見本も持参していきますね」
社長と出掛ける仕度をする蘭は、私の服装を見て話しかけてきた。
「あれ? 京子さん今日は少しおめかししていませんか? あっ、正さん今日お帰りですか」
「正は来週よ、今日は別の用事」
「えっー何だろう? 服装からして特別みたいですね」
「そうよ特別なの……ふふふっ」
「あっー浮気ですか? いけないんだ」
自ら話題を持ちかけ、話を広げていることに笑ってしまう。
今考えれば当初より口数が増え、冗談を話すようにもなっている。
「お客さんの内容。ちゃんと頭に入れるのよ」
「はーい」
私はそんな会話の後、嬉しい気持ちで蘭の後姿を見つめていた。
「草山丹花は昼間と夜の境目だけ、願いを叶えることが出来るんだよ」
空き地で先生の旦那さんから聞いた言葉。私は境目の時間がわからないと答えたんだっけ。
そんな私に、旦那さんは空を見上げ話してくれた。
「一番星が教えてくれるよ。一番星だけが顔をのぞかせた時が、昼と夜の境目。その時刻が草山丹花を魔法のお花に変えるのだよ」
あれからペンタスに甘えてはいけないと考えていた私だったが、ペンタスがその瞬間を作り上げている。
一番星以外顔を出す事を引き止め、そのことに協力してくれている。
急いで机の引き出しを開けると、かき分けるように探していた。
手に取り拔き出したものは、茜からもらった最後の手紙だった。
私は期待を膨らませ数日を迎えていた。
会社では高校を卒業した蘭が、改めてデザイナーとして頑張っている。
まだ見習いだが、私が代わりに事務作業をしながら一緒に作り上げていた。
「相沢さん、そろそろ打ち合わせに出かけましょうか」
「はい、先方の要望では背景の色を少し明るい物にと言うことですよね。色見本も持参していきますね」
社長と出掛ける仕度をする蘭は、私の服装を見て話しかけてきた。
「あれ? 京子さん今日は少しおめかししていませんか? あっ、正さん今日お帰りですか」
「正は来週よ、今日は別の用事」
「えっー何だろう? 服装からして特別みたいですね」
「そうよ特別なの……ふふふっ」
「あっー浮気ですか? いけないんだ」
自ら話題を持ちかけ、話を広げていることに笑ってしまう。
今考えれば当初より口数が増え、冗談を話すようにもなっている。
「お客さんの内容。ちゃんと頭に入れるのよ」
「はーい」
私はそんな会話の後、嬉しい気持ちで蘭の後姿を見つめていた。