最強術者であることを隠して自由に生きようと思っていましたが現最強術者の花嫁になり溺愛されるようになりました
「よく来たな清原舞花。」
「…。」
さすが術者の本家の当主、彼から当主としての空気が流れていることに舞花は強く感じた。
「まあ、座るといい。」
「…はい。」
凪斗様のいる反対の方向にある椅子に座る。
それから、遣いの人がお茶菓子を机に置いてくれた。
どうぞお召し上がりくださいってことなのか。
「突然呼び出して、悪かったな。」
「一体私に何か御用でしょうか?」
四大家紋の一つである東風谷家の当主様がなぜ分家である私を呼び出したのか。気になって仕方がない。
そう思いながら舞花はカステラが乗っているお皿を取り
半分に切って、その半分にしたカステラをフォークで刺し口に運ぼうとした。
がしかし
「単刀直入に言わせてもらう。
清原舞花、俺の花嫁になれ」
口に運ぼうとしていたカステラがポロリと落ちて皿の上に乗る。それほど驚いた。
何せ、とんでもない発言をこの東風谷家当主は言ったのだから。
「は…?」
としか出てこない舞花。
「あの、凪斗様?今、なんと仰いましたか?」
聞き間違えじゃないかまた凪斗に聞き直す舞花。
がしかし、言ったことは間違ってなどおらず。
「俺の花嫁になれ」
「なんで私なんですか!?」
混乱して、カステラの乗る皿を机に強く置く。
それは混乱して当然だった。
こんなお偉い人がどうして分家の…何より美奈子より自分を選ぶなんてありえないことだったのだ。
混乱している舞花に落ち着けと言った途端
説明が始まった。
「まず妖や悪霊などが民を今でもなお、襲おうとしている。」
「…はい。」
一旦、話を聞こうと落ち着いて話を聞く体制になる舞花
「まだまだ、術者達は奴らと戦い続けなければならない。勿論、当主である俺も術者の分家であるお前もだ。」
「…。」
それは承知のことだと思う舞花。
「だが、俺一人だけでは東風谷家や民を守ることはできない。だから、俺と同じように優れた能力を持つ女…花嫁が必要だ。花嫁となら、少なからず、東風谷家や民を守ることができる確率が向上する。」
「それで…花嫁に選ばれたのは」
「清原舞花、お前だ。」
ある程度理解はした。優れた力を持つ花嫁が欲しいという訳だ。その花嫁の選ばれたのが舞花だということ。
だが、しかし舞花はどうして自分が選ばれたのか分からなかった。
「どうして私なんですか?あなたには私の力を見せたことがないのに…」
「お前は知らないようだが、俺は見たぞ?」
「え…」
「もみじ公園にいただろう?そしてお前が助けていた子は俺の妹だ。しばし、色々あって探していた時に、お前が妹を助けていると同時に、人型の武神を見た。それにお前の身体能力もな。」
「嘘でしょ…」
まさか、あの時見ていたとは思いもしなかった。
「だから、私をここに呼び出して花嫁になれって言ったんですね。」
「そういうことだ。それに、お前のその術者の能力と戦闘能力は、この世の女術者の中でも圧倒的に強い。
その力、どうやって身につけた?清原家ではそういう特訓などしているのか?」
「いえ、全く」
舞花は即否定した。
「つまり、自分で身につけたということか
ではなぜそんな経緯になった?」
「それは…」
ここで嘘をつくのは良くないと思った舞花は
凪斗に全てを話すことにした。
清原家が没落しそうになり、神崎家が助ける変わりに母と政略結婚するよう言われた父のこと、父は母と私を愛さず愛人を作っていたこと、母が死んでから父が愛人と愛人の子供であり異母妹である美奈子を連れてきたことを話した。
「かなり過酷な環境だったんだな。」
そう言って顎に手をやる凪斗。
「はい。」
さすがに、彼も家の異常さが伝わったか。
「続きを話せ」
それから舞花は彼に話した。
家族に愛されることを諦めて自分らしく生きようと決めて、それから特訓をして人型の武神を生み出せる程度の力を身につけたことを。
「なるほどなそういう経緯があったのか。」
「…そういうことです。」
まさか、有咲や凛花以外にこのことを話すなんて思いもしなかった。ましては東風谷家当主に話すことになるなんて。そう思っていると凪斗は口を開いた。
「それなら、お前をあの家から出してやろうか?」
「は?」
「俺の花嫁になって、あの家から出してあげるということだ。まあ、所詮分家だ俺の力があれば、お前をすぐに出せると思うが…」
「いやいや!待ってください!」
「なんだ?」
「どうして私、あなたの花嫁になる前提なんですか!?
私、もう人生計画立ててるし…進路とかも定まって先生に言ってしまったし…」
そう言うと凪斗はニヤリと笑いながら
「お前をここで逃す訳にはいかない。俺は狙ったものは絶対に逃がさないんだ。無論、もし進路が定まっていたとしても俺が力を使えば簡単に進路を辞めさせることができるぞ?」と言った。
「ぐぬぬ…」
なんて人だ。
狙ったものはは絶対に逃がさないとか、ここで花嫁になることを断ればこれからも私を狙って追い続けるかもしれない。
そんなの絶対に嫌と思った。
だったら…なってやろうと即決めた。
「…分かりました。凪斗様の花嫁になります。」
「本当か?」
「ですが、条件を了承してくれるのなら!」
そう簡単に花嫁になる訳ない、こっちの話も聞き入れてもらう。
「条件?」
「そうです!
条件一、私の術者能力を頼りすぎないこと!
条件二、花嫁に選んだという選択を悔いないこと!
条件三、花嫁になった以上責任として私を守ること!」
「…」
「この三つの条件を守ってくれるのなら、私は花嫁になって構いません!」
思い切って言ったこの交渉
さて、彼はなんて言うだろうか?と見てみる舞花。
しかし彼は
「ぷッ…ははは!」
言葉はなくただ笑いだした。
「なんで笑ってるんですか!?」
「いや…お前のような強くて面白みのある女が初めてでな…」
「はあ…?」
何を言われるのか少し緊張していたのが想像していたよりも違った。やや恥ずかしいと思ってしまった舞花。
がしかし、凪斗は受け入れてくれたようだった。
「…いいだろう。お前の条件を了承する。
とりあえず、花嫁になるということでいいか?」
「はい。」
「じゃあ、これからよろしく頼むぞ舞花」
「こちらこそ。凪斗様」
そう言うと、凪斗は首を振りその呼び方はやめろと言って
「もう、お前は俺の花嫁だ。様なんて付けなくていい。
凪斗と呼べ。敬語も使わなくていい。」
「…分かったわよ。凪斗」
すぐに敬語を外した舞花に面白いと感じた凪斗。
こほんと咳払いをした後。
「後日、用意が整い次第、清原家に向かう。
今から、車を手配するから一旦戻れ。」
「分かった。」

まさか、凪斗に見初められて彼の花嫁になるなんて思いもしなかった。まあ、こちらの条件を了承してくれているし…。
まあ、結果は悪くはない。
用意が整うまで一度あそこに戻らないといけない。
いやだったが、一体どういう顔をするのだろうか散々舞花を空気のように扱ってきたお父様やお義母様と美奈子は自分が花嫁になると言われどういう反応をするかという好奇心が少し混じっていた。
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