メガネを外したその先に
電話越しに響く先生の落ち着いた声が、心地良い。
「はい…久しぶりにやられました」
『熱は?』
「38度ちょっと」
『薬は飲んだのか?』
「…薬、のんでない」
『買って行ってやるから待ってろ』
そう告げた先生との通話が切れる。
回らない頭で先生の言葉の意図を噛み砕き、先生が家に来るということだと理解できたけれど、着替える力もなく、私は再び意識を飛ばす。
次に目を覚ましたのは、再びスマートフォンが通話を告げて震え出した時だった。
「はい…久しぶりにやられました」
『熱は?』
「38度ちょっと」
『薬は飲んだのか?』
「…薬、のんでない」
『買って行ってやるから待ってろ』
そう告げた先生との通話が切れる。
回らない頭で先生の言葉の意図を噛み砕き、先生が家に来るということだと理解できたけれど、着替える力もなく、私は再び意識を飛ばす。
次に目を覚ましたのは、再びスマートフォンが通話を告げて震え出した時だった。