メガネを外したその先に
glasses9
【高校三年・秋】
高校三年生になり、英語の先生が変わった。
でも、私は予備校のテキストなどを持って龍弥先生のところに相変わらず顔を出していた。
「先生、今日何の日かわかる?」
そう問い掛けると、メガネ越しの鋭い視線に捉えられてすぐに逸らされる。
口を噤む先生に、呆気なく期待は打ちのめされて。
それでも根気強く先生の記憶に訴え続ける私の努力は、いつか報われる日が来るのだろうか。
「私、18になったよ」
高校三年生になり、英語の先生が変わった。
でも、私は予備校のテキストなどを持って龍弥先生のところに相変わらず顔を出していた。
「先生、今日何の日かわかる?」
そう問い掛けると、メガネ越しの鋭い視線に捉えられてすぐに逸らされる。
口を噤む先生に、呆気なく期待は打ちのめされて。
それでも根気強く先生の記憶に訴え続ける私の努力は、いつか報われる日が来るのだろうか。
「私、18になったよ」