メガネを外したその先に
「何でよ」

「何されるかわかんねぇし」


先生の返答に、わざとらしく頬を膨らます。

そんな私を一瞥し、不意に視線を俯けた先生の目元に手を伸ばした。


「隙あり!」

「おい」


一度でいいから、メガネを外したその先に踏み込んでみたかった。


メガネを通さない先生の瞳と、目が合う。

一瞬時が止まって、あまりの綺麗さに心を奪われた。
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