メガネを外したその先に
三年目にして、初めて先生のプライベートに関わる話を聞かせてもらった。


「長谷川もいつか絶対出会うから。お前自身を理解しようと向き合ってくれる奴。」


隣に座る先生へ視線を向けると、こちらを振り向いた先生と視線が絡む。


「それなら、もう出会ってる」


そう言葉を紡ぐと、先生は私の言葉の真意を読み取ろうと耳を傾けてくれる。


「先生は、私自身をちゃんと見てくれてるでしょ?」


嘘も偽りもない、正直な気持ちだった。
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