メガネを外したその先に
「最初は、単なる憧れだったと思う。大人で、落ち着いてて、いつだって冷静で、かっこいいなって。」


そう思う気持ちは、今も変わらない。


「でも、クシャクシャになったテキストを見つけてくれた優しさも、私の挑発に乗せられてまんまと嘘がバレちゃう不器用さも、絶対に受け取ってくれないバレンタインの真面目さも、伊達メガネがバレても私が言いふらさないって簡単に信用しちゃう純粋さも…全部、先生のこと知れば知る程、好きになった。」


嫌いになれる要素が先生にあったら、こんなにも好きにならずに済んだのに。


「友達もいない寂しい高校生活だったけど、先生がいたから学校に来る意味ができた。先生のおかげで、英語が1番得意な教科になった。」
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