メガネを外したその先に
そんなある日、突然長谷川からの連絡が途絶えた。

毎日来ていた連絡が届かず、通知の鳴らない日が二日続き、三日目を迎えようとしていた。


授業の合間、昼休み、放課後。

都度スマートフォンに手を伸ばし、何も届いていない画面を見て打ちひしがれる。


帰り道、何度も画面にメッセージを打っては消す行為を繰り返す。

良い言葉が何も思い浮かばず、考えるのも面倒になって勢いで通話ボタンを押した。


『もしもし、せんせ…ゴホッ、ゴホッ』


電話越しに、辛そうな咳が聞こえる。
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