メガネを外したその先に
「先生のこと想って幸せそうな顔する先輩にも、結局二人にきっかけ作ってた自分にも…ムカつきすぎて仕方ないです。」


小鳥遊くんの切なげな瞳から、目を逸らせない。


「俺、思ってたより希さんに惚れてたみたいです」


小鳥遊くんの気持ちに気付いていなかったとはいえ、今までの自分の言動がどれだけ小鳥遊くんを傷付けていたのだろうと思うと居た堪れない。


「小鳥遊くん、ごめんなさい」

「謝らないでください、余計惨めになる」


私の手の上に重なっていた温もりが離れ、そのまま私の左肩に小鳥遊くんの頭が預けられた。
< 205 / 213 >

この作品をシェア

pagetop