メガネを外したその先に
「そうだね、考えてみる」


机の上を片付けて鞄を肩にかける。


「よい夏休みを」


突き放すようにそれだけ告げて教室を飛び出した私は、とても子供っぽい。


でも、モヤモヤした感情が渦巻いて消えなくて。

一ヶ月以上先生に会えなくなるというのに、何だか後味が悪い。


家に帰り、何度も風間先輩の連絡先を開いては閉じるを繰り返す。

結局その日の日付が変わる前に、私は風間先輩に電話を掛けて先輩と付き合うことにした。
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