メガネを外したその先に



受験生の風間先輩の夏休みは忙しい。

でも、合間を縫ってデートの時間を捻出してくれる先輩はとても優しい人だ。


「んーっ、美味しいです!」


いつも行列ができている有名店のかき氷を頬張り表情を緩めた私を見て、先輩も笑う。


「先輩のも美味しいですね」


お互いのかき氷を交換し、贅沢に二つ味わう。

龍弥先生はかき氷なんて食べなさそうだなって、ふと考えてしまう思考を振り払った。
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