メガネを外したその先に
◇
校門を潜り、渡せなかったおかきを手に取る。
行儀が悪いと思ったけれど、綺麗に綴じた袋を開け、おかきを一つ摘み口に放り込む。
サクッとした音と絶妙な塩梅の塩加減。
今年は何を渡そうって、一ヶ月程前から悩んでいた時間も虚しく消えていく。
堪えていた涙が溢れ落ち、慌てて指先で拭う。
「長谷川?」
向かいから声を掛けられて顔を上げると、こちらに向かって歩いてくる風間先輩がいた。
校門を潜り、渡せなかったおかきを手に取る。
行儀が悪いと思ったけれど、綺麗に綴じた袋を開け、おかきを一つ摘み口に放り込む。
サクッとした音と絶妙な塩梅の塩加減。
今年は何を渡そうって、一ヶ月程前から悩んでいた時間も虚しく消えていく。
堪えていた涙が溢れ落ち、慌てて指先で拭う。
「長谷川?」
向かいから声を掛けられて顔を上げると、こちらに向かって歩いてくる風間先輩がいた。