Tageliet──永遠の秘薬──
「クラウス、あなたに危険が迫ってるの! 国王と宰相があなたの命を狙ってる!!」

「そいつは?」

 気を取り直し必死に言葉を投げ掛けるイザベラを鼻にもかけず問うクラウスは、隣に立つライナーに視線を落とし、何者なのかと尋ねていた。

 彼を怪しんでいるのが、彼女には手に取るように分かる。

「彼はライナー・キースリング。軍部の総司令官よ」

「元帥か⋯⋯」

 ライナーの身分を知り、クラウスはその場から降りてくる。ヴィクトールもその後に続いた。

 踊り場まで来た二人は柱時計の前で立ち止まり、彼女たちを鋭く見据える。「では、聞こう」と佇むその存在感に、イザベラもライナーも些か圧倒されていた。
< 87 / 131 >

この作品をシェア

pagetop