長尾さん、見えてますよ
「…………」
驚きで固まるももさんを見ても、まだ俺は冷静でいられずに話し続けた。
「俺、前一緒に帰ったときにも告白しましたが、覚えてますか」
「……ごめんなさい」
ももさんにとっては、帰り道での告白も、本当に何でもない会話の一部だったんだなとショックを感じたが、逆に好都合かもしれない。
「じゃあなんで、今日は動揺したんですか」
「……」
そう言われて初めて納得がいったような表情を浮かべた。
「今日仕事中だけど、タメで話してくれてるし。そういうのも、期待してしまいます」
目を見て話してみると、逸らさずに見つめ返してくれる。
拒否をされているわけではないんだと、何故か確信ができて、近づきたい気持ちが行動に変わった。
怖がらせないように、ゆっくりと歩み寄りながら反応を確かめる。
パーソナルスペースに入っても、ももさんは変わらず見つめてくれていた。