【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!


「メディナは帽子ね! トゥールーズは?」
「わ、私は、で、でしたら……、あの、ラベンダーの香りのするハンドクリームを……」
「ああ、これ? うん、わかったわ! ヘティは?」

 三人がどぎまぎとしている横で、ヘティはいつも通りの冷静な表情で立っていた。

「ヘティ?」
「でしたら、私は休暇を頂きとうございます」

 休暇? 三人と同じように現物支給を望まれると思っていたのに、ひとりだけ全然違う望みに少し驚いた。

「ベアトリスお嬢様に使えて十年余り、私は一度も里帰りを許されたことがございません」
「えっ……」
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