宮川修内太の異常な日常Ⅱ～魔女の瞳番外編～

「全く…｣

俺の一撃で肋骨が砕けたのだろう。

脇腹を押さえたまま、メグがゆっくりと立ち上がる。

「ワイバーンの処分の代償は高くついたわね…修内太にこんな危ない『緊急装置』が施されていたなんて…｣

「……｣

朦朧とした意識のまま、夢うつつで俺はメグの言葉を聞く。

…隆起した筋肉も、長く伸びた髪の毛も、真紅に染まった右目も、徐々に元に戻っていた。

とりあえず、危険な状態は脱したのだと本能的に悟る。

だけど。

「その場しのぎでしかないわよ…またいつ同じ状態になるかわからない」

メグは痛みを堪えながら言う。

「貴方の肉体に施されたその『緊急装置』が何なのか…早いうちに調べないと…｣