宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
目が覚める。

俺は地下室から運ばれ、ベッドに寝かされていた。

…起き上がろうと体を動かすと。

「うっ!…くっ…!」

重度の筋肉痛に体が軋んだ。

「当たり前でしょ」

声が聞こえる。

気がつくと、傍らに分厚いハードカバーの辞典に目を通すメグの姿があった。

本から視線を外さないまま、彼女は言葉を連ねる。

「ワイバーンを撲殺するほどの筋力なんて、常人に備わっている訳ないじゃない。それ程の筋力を魔術で強制的に搾り出したんだから…その程度の筋肉痛で済んだのは運が良かったと思いなさい。本来ならば筋肉は断裂、骨は粉砕骨折して、よくても一生寝たきりになってるところよ」

「…魔術で…強制的に…?」

俺はまた起き上がろうとして筋肉痛にうめいた後、もどかしく横になったままメグに言った。

「それはどういう事だ?…さっきの俺の異変、何かわかったのか!?」

「その前に」

やっとメグは俺に視線を向けた。

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