宮川修内太の異常な日常Ⅱ～魔女の瞳番外編～

まだ肋骨が痛むらしく、メグは椅子に座ったまま説明を始めた。

「まず…さっきの修内太の変貌ぶりだけど…あれは特殊なタイプの『狂化』の魔術ね｣

「狂化？」

聞き慣れない言葉だ。

「そう…狂化って言葉は知らなくても、『狂戦士（バーサーカー）』って言葉は聞いた事あるでしょう？」

確か、精神を混乱させられて死ぬまで戦う事をやめない、敵味方の区別もつかなくなった…まさしく修羅のような存在。

それが狂戦士だ。

「そう。『狂化』は意図的にその狂戦士の状態を作り上げる魔術。まさに修内太のさっきの状態なの｣

そうか…。

妙に納得できる。

それで俺は突然見境もなくメグにまで襲い掛かってしまったという訳か。

通常狂戦士の状態になった者は、普段では考えられないような戦闘力を発揮する反面、完全に理性は失ってしまう。

さっきの俺の状態とぴったり符合する。