天色ガール【修正版】


 ──ガチャ。


「やっほー!」

「うおっ」


 …………ん?


 周りを見渡すと、屋上にはびっくりして何度も瞬きをしている金髪──真琴しかいなかった。


 『うおっ』って真琴が言ったのか。ほんと久々に会えたな。



「あれ、みんなは?」


「ち、近寄るな!」



 慌てて立ち上がって戦闘態勢をとる真琴。


 そ、そんなに身構えられても。そもそも近づいてすらいないんだけど。



「近寄らないからさ、他のみんながどこにいるのか知ってたら教えてくれない?」



 あたしはなるべく彼を怖がらせないよう、想乃みたいに優しく話しかけた。けれど。



「喋んな!!」



 声を震わせて一歩後ろに下がる。


 こちらに顔を向けてはいるが、一度も視線が交わらない。



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