天色ガール【修正版】
『そうだったのか!?』
携帯越しに、暁の驚いた声が響く。
「……そもそも、なんであたしを屋上に行かせたわけ? 戸締りの確認ってただの口実でしょ」
やっぱり父さんの指示だろうか。
そう予想しながら返事を待つが、いつまで経っても暁からの反応がない。
「おーい、暁?」
『悪い……全部俺のせいだったんだな……』
やっと口を開いたと思ったら、ひどく落ち込んでいる声が聞こえた。
こんな事態になるとは思ってなかったのか……だからといってすぐに許すわけではないけれど。
──あ、そうだ。
「ねぇ、今から屋上に来れる? 実はさっきから“姫になれ”って言われてて困ってるんだよね……」
最後の言葉は、電話越しの暁にしか届かないような小さな声でつけ加えた。
『おう。それで昨日のことを水に流してくれるならな!』
「……」
こいつ。
こっちはお前のせいで困ってるっていうのに!!