天色ガール【修正版】
ブーブー「はい、もしもし!」
着信を知らせるバイブ音が鳴り、あたしは素早くポケットから携帯を取り出して耳に当てた。
誰だか分からないけどナイスタイミング!
『うおっ、何かあったのか!?』
電話の相手は暁だった。
「ごめん。何でもないから気にしないで」
『そ、そうか。……ところでお前、今屋上か?』
「そうだけど、なんで知ってんの?」
なんだか嫌な予感がする。まさか。
『なんかなぁ。学校全体で“転校生は閃光の姫だ”って大騒ぎになってんだよ』
「あーもう広まってるんだ……」
『まぁ、“五閃”はこの学校のアイドルみたいなもんだしな。今までいなかった姫が突然できたなんて事件、そりゃすぐに広まるだろ』
言われてみれば、今の代に姫がいるなんて話は聞いことがないな。
それにアイドルって……顔が良くて喧嘩が強いとなると、そんな存在にもなるのか。
『にしてもお前、昨日屋上で何したらそんな話になるんだよ』
「はぁ!? いや、暁が昨日あたしを屋上に行かせたせいで、ここの生徒があたしのことを姫だって勘違いしたんだよ!」
元凶はお前だ!と苛立ちまじりに声を張り上げる。
すると、周りから「暁って……え、理事長のこと?」「あの理事長!?」とかいう声があがった。どの理事長だ。