天色ガール【修正版】
メスゴリラって言われた時はカチンときたけど……
「ワンスマイルで許してやる!」
「……意味わかんね」
スッといつもの無表情に戻った輝は、「先行ってる」とあたし達に背を向けて歩き出した。
「て、輝が笑った……」
ちょうど輝が倉庫を出た後、ボソッと誰かが呟いた。
そちらに顔を向ければ、想乃と茜が信じられないものを見る目であたしを見ていた。
「そんな驚くこと? さっきも隠してはいたけど笑ってたじゃん」
「まぁ、あれも十分珍しいんだけど……」
「女に笑顔は見せねェやつなんだよ、あいつ」
想乃の言葉の先を、茜が『女に』をやけに強調して続ける。彼は「つか友達ってガキか」と呆れを含んだため息をこぼした。
──友達、か。
「……なに一人でニヤニヤしてんだよ」
「え? いや別にニヤニヤなんてしてないし!」
怪訝そうな顔をする茜に「そ、そんなことより輝どこ行ったの? 『先行ってる』とか言ってたけど!」と、輝が出て行った方向を指さした。
「どこって、外で八永ちゃんを待ってると思うよ」
行かないの?と想乃が首を傾げる。
…………え。
「帰りも送ってくれんの!?」
「当ったりめェだろ!!」
額に手を当てて、「族から狙われてるってこともう忘れたのか……」と大げさに肩を竦める茜のことはスルーして。
「今日はありがとう! あたしも楽しかった!」
そう面子たちにお礼を言ってから倉庫を出た。