『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
 ん? 
 よく見ると、表紙の大部分に銀紙が貼られていた。
 銀紙? 
 首を傾げるフランソワの目を誘導するように、呂嗚流がアルバムタイトルを指差した。
『Look at yourself』
 あなた自身を見なさい? 
 でも、よく見えない。
 鏡だったらよく見えるけど、銀紙じゃあ……、
 更に首を傾げると、呂嗚流が助け舟を出すように声を発した。
「自分の姿を見るんじゃないんだ」
 えっ? 
 だって、あなた自身を見なさいって……、
 困惑していると、呂嗚流が帯に書かれた日本語を指差した。
対自核(たいじかく)』と書かれてあった。
 バンド名は『Uriah(ユーライア) Heep(ヒープ)
 
 対自核? 
 自分の核に向き合う?
 更に困惑した。
 しかし、そんなことに構うことなく、呂嗚流はアルバムジャケットからレコードを取り出し、ターンテーブルの上に乗せた。
 自動で針が下りると、重いドラムと(ひず)んだギターとオルガンの独特のリフが始まった。
 それにハイ・トーンのヴォーカルがかぶさった。
 かなりヘビーなロックだった。
 
 
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