リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「いいの?」
「食べたいんだろ。連れていってやる」
思いがけない提案に一瞬きょとんとしてしまったが、せっかく誘ってもらったのだから行きたい。
「ありがとう涼成くん」
自然と笑顔がこみあげた。
「楽しみだなぁ。サンドイッチは他にも種類があるの?」
「五種類くらいあったはずだ」
「じゃあ全部買って食べようよ。サンドイッチの他にもパンがあるんだよね」
「ああ」
涼成くんがうなずく。
「それも買って帰ろうかな」
「そんなに食べられるのか?」
「任せて!」
自信たっぷりに胸をトンとたたいた。
その瞬間ふと我に返り、今夜の夕食の目的を思い出す。
好物の食べ物を揃えた大人のお子様ランチを作って涼成くんに子供の頃の本来の自分を取り戻してもらうきっかけを作るはずだった。
〝美味しい〟と笑顔になる彼を期待していたのに。
今、子供のようにはしゃいでいるのは私の方だ。
すると、向かいの席からふっと小さく笑うような声が聞こえた。
「楽しそうだな」
涼成くんの口もとがふっと緩む。
けれどすぐにいつもの落ち着いた表情に戻った。