リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


どうして私がこの人の事情に巻き込まれなければならないのだろう。

ぎゅっと強く手を握られているため振り解くことができない。

次第にまわりを歩く人の姿が減っていく。街灯の明かりも少なくなり、やがて小さな公園に到着したところでようやく男性が私の手を離した。

「突然なんですか⁉」

思わず男性に向かって叫んでしまう。

「あなたのこと覚えてますよ。以前、ホテルで会いましたよね」

強い口調で伝えても、目の前の男性は涼しい表情を浮かべている。

「すまなかった。俺のことをしつこく追ってくるやつからきみを利用して逃げようと思い、とっさに手を掴んでいた」
「利用って……」

突然私をこんなところに連れてきておいて男性には申し訳なさそうな素振りが一切ない。

「それに、俺もきみのことは覚えている。ホテルで会ったとき、俺はきみに待っていてと伝えたはずだが、戻ってみればきみはいなかった」
「それは……」

当然だと思う。初対面の男性に突然そんなことを言われて、素直に待っている人がいるのだろうか。


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